2022年のNHK大河ドラマが鎌倉幕府二代目執権・北条義時を主人公にした『鎌倉殿の13人』に決まりました。
三谷幸喜脚本ということで、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
鎌倉時代はあまり人気がないので、北条義時って誰？という声も多いかもしれません。
かなり歴史が好きな人でも、「鎌倉殿」（鎌倉幕府将軍）はともかくとして、「13人」がわかる人はあまりいないと思います。
戦国時代に詳しい人は多いでしょうが、鎌倉時代通は少数派でしょう。
ちなみに私は平安貴族が得意分野なので、13人、わかりませんでした。
ですが、歴史小説家の永井路子先生の本を愛読していたので、北条義時が只者じゃないことは知っていました。大河の主役に抜擢されるとは、嬉しいかぎり。
北条義時について、簡単にわかる本をご紹介します。
2022年の大河ドラマがより面白くなると思いますよ！
はじめは駄馬のごとく
北条義時は源頼朝の妻・北条政子の弟で、鎌倉幕府将軍3人の謎の死、承久の乱などと深く関わっている人物です。
北条義時は永井先生の激押し人物…と思われ、この時代を扱った作品も多いです。
北条義時が大河の主役になると聞いて、真っ先に思い出したのがこの本なのですが、絶版なのですね…。
私が小学生か中学生の時に読んだ本ですが、特に印象に残っている1冊です。
中古でもいいので、ぜひ読んでいただきたい。ものすごく面白いです。
北条義時だけではなく、源義経や今年の大河の主人公・明智光秀などが取り上げられているエッセイ集なので、気軽に読めます。
気軽に読めますが、内容は実に奥深く興味深い。
歴史上に名を挙げた人物の裏で活躍したナンバー2にスポットを当てた傑作！
北条義時、源義経、徳川秀忠、明智光秀、藤原不比等が紹介されています。
北条義時、徳川秀忠、藤原不比等が成功例で、源義経と明智光秀が失敗例。
表題作「はじめは駄馬のごとく」は北条義時の話です。
源義経の話も、源頼朝が義経を遠ざけた理由が非常にわかりやすく書かれていて、「あー、よく言われる嫉妬とか、そんなんじゃないんだね」と気づかされました。まあ、解釈のひとつではありますが、かなり的を得ていると思いました。当時、私は中学生でしたかね。小学生だったかも。
そして、「日本の歴史上、最も偉大な政治家は北条義時である」みたいなことが書かれているのがこの本だった…ような気がします。そこまでは言っていなかったかもしれませんが、かなり絶賛されていました。
20年前に読んだ本なので、うろ覚えですが、とにかく北条義時の凄さについて手っ取り早く知るには超おすすめの本です。
直木賞受賞作『炎環』
1979年の大河ドラマ『草燃える』も鎌倉時代初期を題材にした作品で、永井路子作『北条政子』『炎環』『つわものの賊』を原作にしています。
私が大河ドラマを観始めたのは『独眼竜政宗』（1987年）からなので、『草燃える』は観たことがありませんが、このときは源頼朝と北条政子が主役。
ライトサイドからダークサイドに落ちていく北条義時が話題になったらしいです。
直木賞を受賞した名作。
大河ドラマをきっかけに、また注目されて欲しいです。
ちょうど、頼朝挙兵から承久の乱あたりまでを描いているので、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の予習にはもってこいの作品です。
長編小説ではなく、短編4つでひとまとまりなので読みやすいですよ。
主人公は以下のとおり。
- 「悪禅師」…阿野全成（源頼朝の異母弟で義経の同母兄。幼名・今若丸）
- 「黒雪賦」…梶原景時（「13人」の中でも有名な人物）
- 「いもうと」…阿波局（北条政子の妹。阿野全成の妻）
- 「覇樹」…北条義時
梶原景時はそれなりに知られていますが、阿野全成って誰やねんって感じですよね。阿野全成と阿波局は夫婦で、それぞれのきょうだいが大物です。阿波局は三代将軍実朝の乳母でもあります。
阿野全成、阿波局、梶原景時…。『鎌倉殿の13人』でもクセのある人物として登場すると思われます。
あらかじめ知識を蓄えておくと、楽しみも倍増です。
さいごに
とりあえず、2冊紹介しました。
北条義時を知るには、絶対にオススメです！
この時代、なかなかにキャラの濃い人物が多いので、この機会にいろいろ読んでみると楽しいですね。
太宰治『右大臣実朝』なども良いでしょう。
源頼朝のあとの2代目・頼家、3代目実朝も興味深い人物です。後鳥羽上皇もどんな描かれ方をするのか楽しみです。だれが演じるんですかね…。ホント楽しみです。
