みなさん、熊に出会った時どう対処すればよいのかご存知でしょうか。
知っている人はあまりいないと思います。
私は生まれも育ちも北海道で、かなり田舎で暮らしたこともありますが、今まで野生の熊は見たことがありませんし、熊は山の中にいて人間が生活している場所には出てこないものと長年思ってきました。
ですが、最近は住宅街に熊が出没したニュースなど、よく耳にするようになってきました。
私は札幌市民ですが、2019年4月、さっそく意外なところに熊が出て全国ニュースになりました。市民から見ても、清田区の住宅街はビックリでしたね。
5月になり、我が家の近くでも熊が出ました。昨年も熊の目撃情報があり、2年連続です。
熊がよく出る区内ではありますが、地下鉄駅まで徒歩で行ける住宅街ですので、近所で出るとは思っていませんでした。たしかに家のすぐ裏には熊が住んでる山がありますけれど、学校や病院があり、交通量も多いような道路に熊は出ないだろうと思っていましたので驚きましたよ。
実はつい数日前に、息子が通う小学校で「ヒグマ講習会」なるものが開かれ、熊よけの笛が配られたばかりでした。
熊、本当にいつ出くわしても不思議じゃないです。
北海道に住んでいる人も、観光で来る予定の人も、熊に出会った時どうすればよいのか、しっかりと確認しておく必要があります。
熊が出るのは北海道だけではありませんが、私は北海道民ですので、北海道のヒグマの話としてお伝えします。
ヒグマはどのくらい目撃されているのか
札幌市のHPによると、昨年2018年は137件のヒグマ出没情報があったようです。
旭山動物園で有名な旭川市のHPでは55件。
ほぼ北海道全域でヒグマは出没します。
ちなみに世界遺産の知床では2012年に2000件以上のヒグマの目撃情報があったようですが、そもそもここは人間がいないほうがよい特別な場所ですからね。
こんなところに熊が!とビックリさせられるのは、やはり札幌の住宅街です。
札幌市民でもどこか他人事
2011年に円山公園の周辺で熊が目撃されたことがあり、やはり全国ニュースとして報道されました。
円山といえば、美味しいお店もたくさんある高級住宅地。北海道外から転勤で札幌に住むことになった人にも人気のある地域です。
円山動物園もありますし、大通公園の次に人でにぎわう場所かもしれません。
今年はゾウもお目見えですし、さらに人が増えることは間違いなし。
そんなところに熊が出るなんて、かなり衝撃的なニュースだったはずですが、私はこの記事を書くために熊について調べるまですっかり忘れていました。
子供を連れて何度も出かけているというのに、熊に遭遇する危険性なんて考えたことがなかったですね。
私が特別に忘れっぽいわけではなく、札幌市民の大半はそんなこともあったね程度の認識だと思います。
このあたりに来る機会の少ない人であれば、「そんなことあった?」と言うかもしれません。
札幌の小学校でも警戒
息子が通うのは札幌のとある小学校ですが、昨年、校内放送で「今日は熊が出ます!」とアナウンスされたそうです。
あまりにキッパリとした宣言に子供たちは爆笑だったそうですが、見つかった場所が近いだけに笑いごとではありません。
バス停付近にいたそうです。
バスを待つ熊…。
想像するとトトロのようで可愛いですが、そんなのん気な話ではないですね。
保護者である私のスマホにも、学校から注意メールが送られてきました。目撃情報とともにフンの痕跡も見つかったということで、近くにいるのは間違いないようでした。
そして、今年もさっそく熊目撃情報メールが届きました。まだ5月なのに立て続けに4通です。
近くをウロウロしているようで、かなり危険な状態です。
最低限のヒグマ対処法
去年、熊が出たとき、息子は学校から「もし、熊に出あってしまったら」というプリントをもらって帰宅しました。
我が家は学校からすぐ近くですが、ちょっと通学に時間のかかる距離だったら気が気でなかったことでしょう。
熊に出会ったら絶対にやってはいけないこと
小学校から配布されたプリントには、最低限これだけは押さえておくべきことが書かれていました。
- 背中を向けて逃げることは絶対にダメ
- しゃがむ、拾うなどの身をかがめる行動もダメ
逃げ方
「熊から目を離さずに、ゆっくり後ずさりでその場を離れる」のがいいらしいです。近くに木などの身を隠せる場所があれば、ゆっくりとそこに移動。
とにかく冷静に!ということですね。…できるでしょうか?
新世代クマの恐怖
従来のヒグマ
学校からの情報だけでは心もとない気がしたので、熊から逃れるために心得ておくべきことをもっと調べてみたらどうかと、息子に提案しました。
(去年の話です。今年は「ヒグマ講習会」がありましたので)
息子の小学校では、自分の興味のあることについてノートにまとめて提出する「家庭学習の日」があるので、その日に調べてみることにしました。
まず、動物図鑑で熊について調べてみましたが、人と野生動物とのすみわけの大切さについてチラッと書かれているだけで、出会った時の対処法などは記載されていません。
ネットで調べてみるのが手っ取り早いね~ということで、ググってみました。
どんぐりなどの木の実や植物を食べるのが基本で、シカなどは積極的に襲って食べているわけではなく、死骸を食べるとの記載が多く、なんとなく安心。
基本的に、熊は人間を餌として見てはいないと思ってよさそうです。(人が熊に食べられた例もあるので、絶対ではないですが…)
死骸を食べる習性から、「死んだふり」をするとかえって興味をもたれる可能性があるそうですが、「知床財団」のHPには襲われた時の防御姿勢として、
うつ伏せになって顔と腹部を守り、首の後ろは手を回して保護する。
引用元:知床財団・ヒグマ対処法「出会った時は」
と書かれており、死んだふりとさほど変わらないように思えます。
襲われてしまったら、あとは運次第ということでしょうか?
一般的にヒグマは人の存在に気づくと、人を避ける事のほうが多いので、距離的に余裕があるうちに、音や声を出して人の存在を知らせましょう。
引用元:知床財団・ヒグマ対処法「出会わないために」
ヒグマを避けるために音を出すグッズとして、「くま鈴」があります。富良野の観光地でも、山中で鈴の音が鳴る仕掛けのされた場所がありました。
日常持ち歩いているもので音が出る物といえばスマホがありますが、子供は持っていません。
ランドセルには防犯用に笛をつけていますが、放課後お友達と遊ぶときには何も持たせていなかったです。
近くにしかいかないからと油断していました。
「新世代クマ」の登場
最近では山で狩猟をする人間が減ってきたからか、人を怖がらない熊が増えてきたそうです。「新世代クマ」の登場です。
再び札幌市のHPから「ヒグマ対策」を見てみると、
熊は学習能力が高くて、味を覚えるとその食べ物に執着するそうです。
人の出す生ごみの味などを覚えたら大変ですね。
逃げるものを追いかける。時速50kmくらいで走ることができる。
引用元:札幌市「ヒグマの生態・行動習性」
時速50㎞!!!
熊って、そんなに早く走れるのですね。
追いかけられたら、逃げることは不可能です。
有効な熊よけグッズ
相手が「新世代クマ」であった場合、くま鈴の効果はあまり期待できないようです。
空のペットボトルをペコペコと鳴らす音が良いという記事もいくつかありましたが、「新世代クマ」も嫌がってくれるかどうかはわかりません。
クマ撃退スプレーは唐辛子成分からできており、なかなか効果的のようです。
ですが、風向きによっては自分が被害をこうむる可能性もありますね。熊に襲われた時、正常な判断ができるかとうか怪しいです。
そもそも、住宅街に熊が出た時にはどうしたらよいのでしょうか。
クマ撃退スプレーを購入して、常に身に着けておくというのは現実的ではないですし。
今札幌にいる熊は、うっかり人の多い場所に出てきてしまった熊で、熊は基本的には臆病な生き物のはず。
とりあえず音の出る物を身に着けておくのは、多少なりとも効果はあるはず…と思います。
まとめ
結局のところ、
絶対に逃げ出してはいけません。落ち着いて、ゆっくりとその場を離れましょう。
という、小学校から教わったことを忠実に守るのが一番なようです。
いざという時、冷静に行動できるかどうか、それが大事ということですね。